コロナ禍の幼稚園で

思い返してみると、幼稚園の保育がコロナに脅かされるようになって2年が経ってしまいました。感染が拡大し始め休園があった2年前の冬には、出来るかどうかわからなかった卒園式を終えてほっとしながらも、春が来たらコロナは終わるように思っていました。昨年度は休園があったり、運動会が出来なかったり「こんなことになるなんて…。」と思い続けた1年間でした。今年度は感染拡大の波はあっても、ワクチンの提供など何となく落ち着いてきたのかな…、と思っていた矢先のこのオミクロン株の爆発的な大流行です。これまで、コロナウイルスに子どもはかかりにくいと言われていたのに感染が拡がって、ご家庭でも不安な日々が続いていることと思います。

以前の私は、「今日は、感染者が増えて10人だ!」と言っていたのに「感染者92人?今日は少ないわ…。」と感染者数にだんだん鈍感になってきている自分に驚いています。どんなに数が少なかろうと、そこに感染した方がいて、係わる多くの方がいて、感染拡大の現状では手助けもなく大変であろうことまで思いが及ばない自分を反省しています。先日知り合いがご家族で感染され、高齢のお母様を陰性の娘さんが看病をされているので、何か差し入れを…、とお尋ねしたのですが、顔も合わせられず玄関のガラス戸越しに「頑張ってね。」と励ますことしかできませんでした。

コロナ禍になったこの2年間、「これができなかった。」「こんなこともしてあげられなかった。」と出来ないことばかりを数えてきましたが、2年を経過した今はwithコロナで「コロナ禍でできること」を前提に計画していかなければならないと感じています。今の年中さん・年少さんはマスクをして入園してきて、マスク着用での幼稚園生活しか経験していません。以前小学校に「特別支援教育」の考え方が入って来た時に、「困り感のある子が困らない教育」をすることは、「子ども達全員の居心地がよくなること」と言われました。それと同じように、コロナの感染予防に配慮した保育は、コロナウイルスが収束したとしても、安全で衛生的、密を避けることにより快適であることも多いはずです。ふぞく幼稚園に通うお子さんやご家族にコロナウイルスの感染が拡がらないようできる限りの努力を続けていくことと同時に、「コロナが収束しなかったらどうしよう。」ではなく、「コロナがあってもなくても出来ること」を今後積極的に取り入れていきたいと考えています。コロナウイルスの収束を願いつつ…。(森)